速弾き(?)について…

back to sentence top date:2004/05/01

もの凄く笑える題ですが、一応。

とは言いつつ私の場合「弾き方」とかを語るのではなく、視点を変えて自分の観点でギタースタイルみたいなもんから向かってみようと…
まず、「速弾き」というのは色々言われてますが、私個人的には「才能」ってかなり関係してくると思います。
「それはお前の努力が足りないからだ!」という意見もあるでしょうが、実際プロでも速弾きが巧い人、驚くほど下手な人ってのはいます、普通に考えて一般の人よりより多くギターに接して日々精進してる人なのに、それでも巧い人、下手な人は存在するんですよね。

 

簡単に言うと、速弾きというのは左右の手(指)をどれだけ速く動かしていくことができるか?ということになってきますが、これには運動神経系の反応なりが関わってくるんですよね。
これは足が速い人がいて、遅い人がいるのと一緒で、筋肉のつきだったり生まれ持ったものや育った環境とかに由来すると思うんですよ、それが一種の才能だと思ってます。
もちろん運動音痴の人もある程度のトレーニング等で一般の人より速く走ることは可能になることは十分できるでしょうが、実際そーいう人はコツをつかむのも人一倍苦労したり、今までにないノウハウが必要だったりと回り道が結構必要になることが多いと思います。

 

うーん、本当なら頑張ればなんでもできる!って言いたいところなんですが、多分ギター真剣に弾いてれば弾いてる人ほど、そうはイカンって思ってるはずです(笑)
例にあげるなら手の大きさもそうだと思います、コピーを得意とするギタリストは本当に細部に渡る細かなニュアンスまでコピーされる人が多くいますが、例えばポールギルバート、ショーンレーン、ロンサール、ジェイソンベッカー、リッチーコツッエン、イングヴェイ、アランホールズワースなど手が大きい人のコピーをする場合に、そのアーティキュレーションをコピーしようとなれば同じ弦で同じポジションで弾く必要がでてきます。
そうすると自然と手の小さい人には物理的な無理が生じてきます、よくピアノをやってると「指の水掻き部分を切る」人がいますが(私もピアノをやっていたのでそういう人に会ったこともあります)ギターはネックを握るので殆ど意味ないと思ってます。
例えば、ギターを弾く場合ストレッチ的に届かないと思ったものもオーバーハンズ(ネックの上からかぶせるように逆手で弾くこと)にするとかなりストレッチできますが、スティック系のタッピングギタリストを除いて最初から最後まで逆手で弾くギタリストなんてのはわずかでしょう。
マイケルアンジェロも最初からずっと逆手でやってるわけじゃないですし、彼の逆手プレイもスキッピングなんかは通常のフォームでやってます(まぁ彼ならソレも逆手でできるように練習しそうですがね)

 

さて、話が逸れましたが、Mr.bigでリッチーコツッエンがポールと譜面上の音は同じでも弾き方を含め違うポジションで弾いてましたが、あれはギターや音作りの違いもありますが、最大はそのアーティキュレーションの違いですね。
私見を述べればポールと全く同じポジションでリッチーコツッエンは楽に弾くことができると思います、彼の初期の頃のビデオを見たからならタッピング技術やスイープ等の技術がポール以上であることはご存知かもしれません。
ただ、それこそ速弾きでも音楽ありきの問題でギタリストとして リッチー>ポール という図式が成り立ちはしないですし、実際シーケンス系オルタイネイトの綺麗さならポールは世界でもtop中のtopに来るんだと思ってます。

 

人にはそれぞれ得意不得意というのがあり、速弾き系と人くくりにされているギタリストでも実際かなり細分化されると思います、一般的に言うとフルピッキング系のギタリスト、レガート系ギタリスト、タッピング系ギタリストという感じでしょうかね。
私はその中にもかなり分けていてスイープ系が存在したり、フルピッキング系にもシーケンスまとまった上昇(下降)型、シーケンス行き戻り型の人というのがあるんです。
もちろんこれらの2つ3つが得意って人もいます、例えばジョージベラスなんかはクロマティックのフルピッキングとスイープがかなり特質して巧いですし、ポールはシーケンス行き戻り型の人、イングヴェイやインペリテリはシーケンスまとまった上昇型に位置づけしてます。
もちろん、あくまで私見ですし「できない」わけではないでしょうし、不得意と言ってもかなりのレベルで弾けるとは思います。

 

このように型分けしててもその中でも弱点的なものが少ないギタリストというのがいます、ジョンペトルーシだとかキコルーレイロとかマイケルロメオ、マティアスエクルンドとかそのあたりになるでしょうか?
ただ、この中でもロメオは手の大きさの点でポールの曲を同じポジションでコピーできないでしょうし、マティアスにしたって彼は通常ありがちなコードライクなスキッピングはしないしスイープが卓越してるのでスイープを使いそうですし、ペトルーシだってジェフワトソンが彼のソロでやってるマザーズアーミのような露骨な8フィンガーを同じようにやるか?と言ったら自分に楽に弾ける別の弾き方をするでしょう。
キコだって全く同じことが言えます、ラスティークーリーとかファレリとかにしてもショーンレーンやロンサールのウルトラストレッチを使ったレガートを同じように弾けるか?とかTJヘルムリッチのように総てタッピングで弾けるか?いうと微妙だと思います(やれと言われたら彼らなら練習してやりそうですがね)

 

さて、まぁこーいう雲の上の人の話はそろそろ辞めにして(笑)上記した話題を引継ぎつつ身近な話をすると、全く同じフレーズを弾いたり、人のコピーで苦手だったり妙に弾けることがあるのは、ピッキングの癖というかインサイド派、アウトサイド派、完全オルタネイト派、エコノミー派というのが合致したり間逆だったりすることがあるんだと思います。
私はNETやりだして素晴らしいギタリストと接したり、実際にプレイを見たりする機会がかなり増えましたが、ピッキングの回数(?)というかインサイド派アウトサイド派ピッキングが特殊なスイープやエコノミーなどに移る瞬間までのピッキングの移り変わりなんかがクセになっていたりして、それがかなり弾ける弾けない、弾きやすい弾き難いに左右するということです。

 

これはコピーなどをする場合はクセを矯正したりして弱点かもしれまんせが、オリジナルなプレイや自分のプレイでコピーするという場合には強力な武器になると思います。
やっと最初の話題に戻りますが、ピッキングのクセでだけなく運動神経云々も然りで、速いから優れている、遅いからショボイ、速いから難しい、遅いから簡単というわけでは絶対にないと思います。
速いものは確かに難しいですが速すぎると難しい以前に人に伝わりませんね、よく「1秒間に○音弾ける」とか「BPM○○で6連譜」というのを聞きますが じゃぁ1秒間に440回弾ける人がいればラが鳴るんですよね、これは大袈裟ですけど私はラスティークーリーやファレリを聞いても音楽だとは思わなくてなんか本当に運動競技のようで速弾きが好きな私でも苦手ですね。

 

まぁ小噺程度ですが、jinmoさんのナノピッキングにしても実際「BPM250以上で正確に6連譜を弾く」と言っても確認した人っていないのではないではないかと思いますし、1弦のみで簡単な3音の繰り返しならそれに近いテンポで私にもできそうでし、ナノピッキングって多分効果音的にやってる部分も多分にあるでしょうしね。
実際ピッキングを自分の最速にしてフィンガリングをスライド気味に1弦から6弦まである程度なぞるようにピッキングとそれとなく合わせると似たような効果は得られるんですよ(もちろん正確じゃないので同じものではないですが)
うーん、jinmoさんの音楽自体がかなり特殊ですからね、もしかしたら分かる人にはあれが効果音でなくきちんと音(音階)として分かる人もいるのかもしれませんが、私レベルの耳なら似たような効果音なら上記した方法でできます。

 

またまた、話が入り混じってまとまりのない文章になってしまいましたが、速弾きに才能の部分はかなり左右しますし、人によって速さの上限というのは確実に存在します。
今ではそのクオリティに関わらずイングヴェイが弾けるという人も珍しくありませんが、どんなに努力してもピッキング速度自体が上がらない、フィンガリングが伴わないって人も存在すると思います。
また逆にロブロックのギターのリックのようにハンデをものともせず弾く人もいるでしょう、ただ速く弾けない、複雑なものが弾けない人がギタリスト、音楽人として優れていないというわけではないと思います。

 

よく、速弾きが速い人正確な人が、あまりそうでない人を見下したりすることがありますが、もっと上の人からそのように見られたりしたらどうなのでしょうか?
人を卑下すること、人と比べて優越感を感じたりすることが音楽やギターの本質とは思わないですし、私はそうは思いません、他者に何かを伝えたいのなら人より自分との勝負ではないでしょうか?
速く、正確に音を出すのならショーンの曲のようにギターの音をサンプリングしてPCでやるのが一番だと思います。

貴方がやってるのは音楽はないのですか?

 

back to sentence top written by 飛蝗者